治療として、腎康丸(U)を1クール投与した。腎康丸を服用し終わってから、再び診察に訪れてきた時、尿蛋白は(+)に減少し、潜血は認められなくなった。
今回も腎康丸を1クール投与して、服用し終わったらまた来るように指示した。三度目に訪れてきた時、尿蛋白は消失し、脈も舌苔も正常になった。これまでの効果を固めるために腎康丸をさらに1クール投与した。
その後、送られてきた現地病院の検査結果では全ては正常になっていた。その時から治療を終了して、二年間追跡観察を実施した。経過は良好で、完全に健康体になった。
<症例二>
劉○○、女、10歳。
二年半前に紫斑病性腎炎を発症。それ以来、血尿と蛋白尿がずっと続いている。ステロイドなどによる治療で、病状は良くなったり悪くなったりの繰り返しで、根本的な改善は見られなかった。担当医師からこのままでは腎不全になる恐れがあると言われ、大変不安になっていた。
当院へ紹介された時、尿蛋白(++)、赤血球/満視野。血圧140/95mmHg。
腎康丸(U)を2クール投与したところ、尿蛋白は(±)に、赤血球20〜30/強拡大視野になった。血圧も110/82mmHgになった。腎康丸をさらに2クール投与して、尿蛋白、血尿ともに消失して、完全に正常になった。
治療終了後、一年半近く経過しているが、元気に生活している。
<症例三>
範○○、女、14歳。
この患者は小さい時から、ずっと健康で、病気にかかることはほとんどなかった。ところが、四ヶ月前に突然四肢の皮膚に出血斑が生じ、同時に嘔吐、腹痛、下血などの症状も現れた。○○○○大学付属病院でアレルギー性紫斑病と診断され、プレドニゾンによる治療を受けたが、病状は改善されず、日増しに重くなった。その後、肉眼的血尿と蛋白尿が現れ、紫斑病性腎炎を併発した。
患者は紫斑病性腎炎併発後も暫く同付属病院で治療を受けたが、改善が見られないため、当院へ紹介された。筆者が診察した時、紫斑はほとんど出なくなり、皮膚には沈着した色素が若干残っているだけであった。尿蛋白(++)、赤血球20〜30/強拡大視野。
治療として腎康丸(U)を投与した。1クール目の服用がまだ終わらない時に尿蛋白が消え、血尿も出なくなった。ところが2クール目の服用を始めた直後、風邪を引いたことで、腎炎の反復が起き、血尿と蛋白尿(++)がまた出るようになった。

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